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2016年 03月 24日

渡良瀬回顧録

自分の持っている資料で
渡良瀬回顧録_c0095801_23084335.jpg
昔の渡良瀬川をご紹介できるような写真がないのがもどかしいです

面倒臭がらずに写真を撮っておけばよかったと
後悔しても始まりませんね


1999年 No65
FLY FISHER

これを見ると
今から17年前の渡良瀬川の様子を少しだけ伺い知ることができます


扉の見開き写真は、今で言うところの市民広場手前側の分流
当時はこの水量を誇る立派な本流筋でした

まだ対岸が伐採される前の、林が健在だった頃で自然に囲まれた癒しの空間でもありました

対岸に張り出したネコヤナギの下に、いつも良いヤマメが付いていましたよね



一番変わったのは『団地裏』ですね
渡良瀬回顧録_c0095801_23085400.jpg
当時、この流れを対岸に渡るには渡河ルートは2本しかなくて
それもいま考えると、結構危険な行為だったのかもしれません

ここで禊(沈)を済ませた方も多かったんじゃないでしょうか
※ちなみに僕は三度泳ぎました※


なんとか対岸に渡ったところで川底はヌルで覆われた大石が点在していて
ライズに近づくこと自体、容易ではありませんでした

大きな底石がゴロゴロ配置された上に流厚たっぷりの渡良瀬本流のヨレ筋
圧倒的にヤマメ勢優勢な
まさに渡良瀬屈指の高い難易度を誇るポイントでした


僕も団地裏にドハマリしていた頃は
出勤前に毎日通っていたものです


残念ながら、ここ数年の団地裏は
当時の面影など微塵もなくなってしまいました

浅くなり誰でも簡単にアプローチできるようになってしまったことで
過度にスプーキーになりすぎた魚達の気まぐれに、終日振り回されるような釣り
魚が警戒し過ぎて、本物の虫さえ鼻先で突いて帰るほど

以前の『団地裏』とは、また違った難しさであり
その面白さを否定こそしませんが

僕が想いを馳せるマッチ・ザ・ハッチゲームとは
似て非ざるモノ

足が遠のいてしまうのも当然の成り行きです


今考えると『団地裏』の呪縛から解かれることで
その場所以外で、生涯忘れられないであろうヤマメ達と出会うキッカケになったわけですけどね
渡良瀬回顧録_c0095801_23084983.jpg
…それにしても…

ムートンのフライパッチといい、鼈甲フレームの偏光レンズといい、時代を感じさせます(爆)

ランディングネットは舶来品の樹脂製クイックリリーサーを使っていたのですが
この方法で留めている人は、当時全くと言っていいほど
見掛けませんでした


当時はチェーンリールが主流でしたが
藪漕ぎでバックドロップを何度か食らってから、怖くて使わなくなりました

マグネットリリーサーが各種販売されるようになったのは、もう少し後の事ですね


当時、このパンパンのベストの中にフライボックス11個を常に持ち歩いていましたね
ご苦労なことです


悲しいかな
釣りの腕前だけは当時から進歩していません(ぷっ)
渡良瀬回顧録_c0095801_07171739.jpg
その翌年

2000年春に発行のFLY FISHER誌では、里見さんと一緒に取材させていただきました

見開きフルカラー14Pというボリュームは
当時の渡良瀬川の注目度を、暗に語っていたと思います


取材したポイントも前回の記事と近かったのですが、全く別場所のようになっています

これは大水によって中州の木が流出しないよう河川敷の大規模な伐採が行われた後

これにより中州は砂漠化し、川底も砂地化してしまいました
これが原因かどうかは判りませんが、このあたりからモンカゲロウの羽化が凄く多くなった気がします
渡良瀬回顧録_c0095801_07172137.jpg
お互い若いです(笑)
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ここも市民広場の分流
まるで採石場で釣ってるみたいです(笑)
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放流されているヤマメも
この時はまだ神山水産ではありませんでしたね(笑)
渡良瀬回顧録_c0095801_07170754.jpg
毛針釣り禁止の告知の張り紙に
『フライ・テンカラを除く』の文言が追加されたことは
何より画期的
でしたね。

以前は、鮎が放流された後にフライなんかやっていようものなら
餌釣り師(恐らく鮎釣りもやる)に怒鳴られていたものです

今では信じられないかも知れませんけど
そんな時代でした






by sureyamo | 2016-03-24 22:34 | and others | Comments(5)
Commented by tokyo_terry at 2016-03-24 23:54
inaxさん、こんばんは!
フライフィッシングを始めて間もない頃で
雑誌発売日が待ち遠しく、隅から隅まで読んでました。
この記事と写真も覚えてます。
特にパンパンに膨れたベスト!
関東にはカッコ良い釣り人が居るんだなぁ〜って。
懐かしいです!
Commented by keito at 2016-03-25 12:47 x
inaxさん
大変ご無沙汰しております。埼玉のkeitoです。
この記事、懐かしいですね!
自分も何度も何度も読みました。
で、格好から入る自分は同じエントモロジストを買うまでに。。。そして通常LサイズもあえてのM。小さめに着ると格好良さが増しますね。今でも大切な一着です。
最近では、釣行数は少なくなりましたがのんびりとやってます!これからもブログ拝読しますね!!
Commented by tokyo_terry at 2016-03-25 22:57
inaxさん、度々です(笑)
そういえばこの頃には、すでに製本が右綴じになってますね。
左綴じの時代は二年ほどしか読んでないのですが
inaxさんのデビュー(?)はNo.65からですか?変な質問して、すみません。
Commented by INAX at 2016-03-26 22:14 x
KEITOさん

書き込みありがとうございます。
本当にご無沙汰しちゃってますが、お元気そうで何よりですね。
僕もベストは処分できずに溜まる一方ですね。もっと年をとったら着てみようかな‥‥と思っていますよ。
今は多分キツくて着れないので(爆)

マイペースが一番です。
これからもフライフィッシングは続けてくださいね。
Commented by inax at 2016-03-27 06:43 x
terryさん

書き込みありがとうございます。
今、こんなフライマンがいたら後ろ指さしちゃうけど(ぷっ)当時は『背中が羽化しそうだね』と言われてましたよ。

僕の初掲載は1998年8月号(47号)になります。
もちろん左綴の時代ですけど、次の掲載は1998年で右綴じになります。
たまに読み返す(自分の記事以外)のは楽しいですね。
凄く勉強になることも書いてあります。どちらかというと最近の雑誌が焼き鈍し(劣化コピー)ですから。
読まなくなった雑誌を処分される方も多いと思いますが、昔の雑誌の記事の方がかなり核心をついていて参考になりますね。


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