
夜から雨の予報が出ていた金曜日。
ねっとりと体にまとわりつくような「雨前独特の大気」がそれを予感させる。
こんな日の昼過ぎ、偶然通りかかった利根川の本流で複数のライズを見つけた。

群馬漁協の管轄する前橋地区の利根川の流れは、数百メートル規模の瀬とプール(深瀬)が交互に組み合わされて形成されている。
遠巻きに見ている分にはそうでもないけど、いざ釣り竿を片手に流れの畔に立ってみると、あまりの広大さに圧倒され、たちまち「掴みどころ」を失ってしまう。
ツーハンドやスペイロッドを使用した豪快なフライフィッシングのフィールドとしては理想的であり、実際多くのフライマンは、そのような釣法でこの川を攻略している。
頻繁にライズが見込めるような区間は少なくて…いや、実際にそういうポイントはあるのかも知れないけど、釣り人が気付くことは実に稀。
広大なフィールド故の死角と言えるのかも知れません。

今回のポイントも、まさにそんな感じで、今まで誰かに気付かれる事はなかったようです。
肝心のライズは、こんな流れの一角で春のやさしい陽射しを浴びながら
ゆっくりとしたテンポで繰り返されていました。
ライズフィッシングと言うと、散々弄ばれた後の渋いスレッカラしばかりを相手にする事が、半ば慣例化して来ている自分の釣り。
正攻法なんかでは、初っ端から通用する相手ではなかったりするのだけれど、誰もいないプールで悠長に繰り返される無垢なライズに対峙していると、フライに対するあまりに素直な反応に「ささくれ立った」思考回路は徐々に癒されていくのです。
普通に流せば釣れちゃうのがアリアリだったので、ちょっとだけ意地悪を…。
あえてフライをライズから微妙に外したレーンに流し込んで、ちょっと様子を伺ってみたのですが、目敏い彼女等はソレを見逃す事なく一発でくわえてくれました。


ピー尺!!…と言いたいことろだけど、2cm足りない「ピー28」。
もとは成魚放流かも知れないけど、ご覧の通りの立派な体躯の本流ヤマメへ正常進化?の過程のようです。
ただ残念な事に、背びれ付近の肉がザックリ三角形に切り取られていました。
カワウにやられた傷跡なのでしょうが、まだ真新しいものでした。
その後も、もうひとつライズを取りましたが、こちらは25センチほどの、何処でも見受けられるような、ごくごく普通の成魚放流モノ。
ライズは、まだまだありましたが…少し風が強くなってきたので敢えて追い込まずに、この日は納竿。

ちなみにストマックはコチラ。
こんな感じでカディスのオンパレです。
使ったフライは(またしても)ガガンボなんですが…相手が許してくれる限りは、必要以上にムキにならずに行くのが最近のinaxスタイル。
結果オーライ!!(ぷ)
人様の情報を当てにせず、川に出掛けてみませんか?
川に対しての好奇心を絶やさなければ、次はきっとアナタの番です。