
渡良瀬川も随所のポイントでライズ情報が飛び交い始めました。
放流ポイントが大盛況なのは何処の川も一緒です。
だけど、放流さればかりで流れに馴染めないヤマメ達というのは
悲しいかな我々の予想を上回るペースで、どんどん下流に下り散って行くものです。
脅威を知らないウブなヤマメ達の宴は、こんな下流のプールの至る所でも
まるで浅学の釣り人達をあざ笑うかのように、人知れず繰り広げられているのです。
それを知っている古くからの常連は
あえて放流ポイントに築かれる人垣の一部になるようなことせず
誰にも邪魔されることのないポイントで、静かにじっくりライズに向き合っています。
暖かい日が続いたせいで、水生昆虫のハッチは一気に進行してしまったみたいですね。
ユスリカ、ガガンボに始まり、オオクマ、ナミヒラタ、フタバ等々
まだ三月だというのに、流下は混沌。
そんな状況にあっても、やはり圧倒的な流下量を誇るユスリカが
一番好まれて補食されているようです。
ライズの多発している流芯まで約10m。
手前との流速差でラインにブレーキが掛かってしまって
フライ先行でキレイに送り込むことは、かなり難しいのですね。
稀にうま〜く(笑)流せたりはするものの
そこに至る頃にフライもシッカリ見切られていますから、そう易々とは釣れません。
何度も打ち返したフライなどは、かなり上流からソロッと流し込んでみたところで
ライズはまるで申し合わせたの如く、ピタリと止まります。
フライチェンジ後のファーストアプローチを、それこそ一発で決めないと
全くお話にならないようですね。

こうなると、流下の切り替わりが貴重なチャンス。
幾分派手目なライズが増えてきた頃合いを見計らって
ガガンボを流したら…あっけないモノでした。

ただそれも、ほんの束の間。
再びユスリカに対するライズばかりになってしまったら
また(笑)手も足も出なくなってしまいました。(-.-;)
無数のライズリングの中から、まだ三匹しか釣っていないというのに
すでにこの有様。
先きが思いやられますが、それがこの釣り方の一番面白く、奥深いところでもあります。
ただ釣るだけなら、色々な方法があるわけで…
釣果だけを求めて、安易な釣り方に走ってしまっていたら
僕はこんな釣り(フライフィッシング)なんて、とうの昔に飽きて
辞めてしまっていると思います。
ただマッチ・ザ・ハッチに拘っているうちは、この釣りに終わりはありませんね。