2015年 01月 16日
マッチ・ザ・ハッチの釣りに没頭して行くと、知らず知らずのうちに使い切らない量のストックを抱えてしまうマテリアルがダビング材です。 必要性に迫られているワケでもないのだけれど、店頭で見掛けると、ついつい気になって… 悩んだ挙げ句、結局最後は購入してしまう…なんて言うのは多分僕だけではないはず。 そうやって長年引き出しの肥やしとなっていたダビング材なのですが 先日思い立って少しずつでも整理を始めることにしました。 経年劣化がほとんどない『シンセティックマテリアル』ですから、僕がフライフィッシングを始めて最初に購入したダビング材が未だに健在だったりします。 当初はミッジばかり巻いていたせいもあるのですが、未だに全然使い切れていません。 FLYRITE社が発売しているコレでしょうね。 昔のほとんどのフライマンは、このダビング材のお世話になってるハズです。 僕が最初に買った(買えた)ダビング材でもあり、そう考えるとロングセラー。 値段も一袋250円?程度で、中学生のお小遣いでも悩まず買えたものです。 日本には売れ筋だけチョイスして輸入しているでしょうか。 流通している色数は以前よりだいぶ減った気がします。 繊維自体太くて硬い印象。 スレッドに絡み付きにくく巻きづらさを感じます。 逆に、このダビング材をキレイに巻くことは、ある種のスキルであるとさえ感じてしまうくらいです。 繊維自体が長いので、使う分は事前にシザースを入れておくと良い思います。 僕のお薦めは、思い切ってマルチグルーに頼ったタッチダビングで硬質に仕上げてしまうようにしています。 このダビング材の一番の売りは『豊富な色』と『価格』という感じになるのでしょうか。 UMPQUA SUPER FINE DUB このダビング材が出たときは画期的でした。 とにかく細くて繊細なファイバーで、ダビングするのが楽しくなるほどスレッドに絡み付いてくれます。 コレを使うとFLY RITEの難しさがハッキリわかります(笑) 繊維が細かいために汚れを拾いやすく、特に明るい色調のモノは水を含んだ時にも色が沈んでしまうのも欠点。 また…勢い余って盛りすぎてしまう(笑)こともしばしば。 それでも少し巻けば、誰でも簡単に綺麗なダビングボディーを仕上げることが出来ますから 初心者にタイイングを教える時には重宝します。 Silk dub 原材料は名前の通りシルク。 繊細さにかけては(お値段も)スーパーファインダブの更に上を行きます。 不自然にギラギラしない自然な光沢がシルクならでは。 カラーバリエーション自体、あまり無かったように記憶しているのです その中でも『ラスティーブラウン』はアカマダラカゲロウのボディ表現にドンピシャリ! 僕は珍しく(笑)二箱キレイに使い切りました。 残念ながら既に廃盤となって久しい商品ですから 持っている方は大事に使いましょう。 ネットを徘徊すればデッドストック品は未だ手に入りそうですが 使わない………と言う方は僕に下さい(ぷっ) こちらもシルクダブ同様にTIEMCOの商品ですが…こちらも既に廃盤になっているようですね。 フライ業界がまだまぁモリモリ元気だった時代に開発、発売された商品群は気がつけば廃盤になっているケースが多々見受けられ、とっても寂しい限りです。 このマテリアルはその名の通り金属繊維をブレンドしてあります。 ここら辺は実際触ってみると実感出来るのですが、非常に繊維の細い 金属束子みたいです。 当然浮力を期待するようなフライには不向きです。 ただ例外としてボディー部のみを沈ませるようなフライ、例えるならテレストリアル系のドライフライのボディーには、まさにもってこい…というか、その為のマテリアルだと言い切って良いぐらいです。 甲虫(蟻も)特有の金属的な硬質感が出せる数少ないダビングマテリアルと言えます。 金属…といってもその繊維はとても細く繊細で、まるで粘土のようにスレッドに絡み付きます。 なんだか手に入り難いダビング材ばかり紹介してしまうようなカタチになって恐縮なのですが… それもココまでです、ご安心?下さい。 かの田代兄弟が開発したニンフダブになります。 パッケージに記載された水生昆虫名に軽くノックダウン(笑)させられた方も多いと思います。 あくまでもニンフ用ダブで色目もニンフに合わせてあります。 成虫カラーではないのでネットで注文される際(笑)には注意して下さい。 ダビング材の特徴としては、色々なカラーの繊維がブレンドしてあり微妙な色調を演出しています。 その繊維は比較的太く硬質(強い)なので、ある程度大きめのニンフをボリューミーに仕上げる時に向いているように感じます。 カッチリ硬質に巻き上げるも良し、輪郭がボケる程度にフワッと仕上げてもいい感じになります。 繊維自体も非常に強いので、キッチリ巻き上げたフライはなかなか壊れません。 アンゴラゴートを使用したダビング材ですね。 硬めで張りのあるダビング材ですが、シールズファーのダビング材よりは巻き易くて、マッチ・ザ・ハッチを意識したカラーバリエーションが用意されています。 ただこれも名前同様“沈めるフライに使う”ダブです。 赤系のダビング材は水を吸うと色が沈んでしまうモノが多いのですが、このダブが水に濡れた時の色調が、模倣する虫の色調に逆に近づくので愛用しています。 利根川本流で羽化するオオクママダラのフローティングニンフのボディーには、このダブに白いリブを入れています。 ちなみに……… 同じ虫でも川によって色目が変わりますので、現場で本物と見比べて調合して下さい。 ペレットダブ。 ネーミングに抵抗感があります(笑)が、これもお薦めのダビング材です。 一見、タシロニンフダブのような印象ですが、繊維はずっと細くて繊細。 当然巻き易いです。 色々な使い道があると思うのですが、僕自身は透明感のある甲殻系のフライに使います。 小型のフライでもとても巻き易いです。 ただ、やはり…このダビング材を人に説明する際に『ペレット』というフレーズは 抵抗があります(笑) ラビットファーですが、何処のメーカーか不明です。 非常に良くブレンドされていて、動物ファー特有の巻き難さは一切ありません。 微妙な色合いがあって値段の割にボリュームもあるのでニンフの大量生産に重宝します。 単体だけで巻くと色調が単調故、ソリッドで無機質な印象に仕上がってしまい 虫っぽさが無くなってしまうので注意です。 様々なマテリアルと組み合わせることで、このダビング材は活きてくると思います。 HEARS YEAR ご存知、ウサギの耳に生えている一番短くて黒い毛のみのブレンドです。 (写真では適正色が出ていませんのであしからず) フックに巻いてあるだけで充分釣れるダビング材で、年間通したニンフィングで僕が一番釣っているマテリアルであると断言しちゃっていいです。そのくらい釣れます。 キレイに巻くコツは、やはりマルチグルーを使用したタッチダビング。 ♯18のフックでもガードヘアーピンピンのニンフが出来上がります。 コチラを参照 Gloval egg yean 管理釣場等で活躍するエッグパターンに使用されるヤーン。 マッチ・ザ・ハッチのパターンには縁が無さそうですが…実際そうでもありません。 水面直下を漂うガガンボやフタバコカゲロウのパターンをサイトで使用する場合、フライの上面の一部にコレらのマテリアルを仕込むことで、その視認性を格段に上げることが出来るからです。 地味なマッチ・ザ・ハッチパターンに派手な蛍光色を使うことに抵抗があるかも知れませんが 純粋に、釣りを成立させるうえで、この色がマイナスに作用することはないでしょう。 エッグに使用するくらいですから親水性が期待出来ます。 これは、どうしても浮き易い小型のイマージャーフライを強引に沈める際に 若干の手助けになります。 …とまぁ、こんなのはほんの一部で、他にもまだまだあるのですが こんな記事を書いていると肝心の整理もなかなか終わらないので(笑)今回はこの辺にしておきます。
by sureyamo
| 2015-01-16 06:33
| fly tying
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Comments(2)
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tokyo_terry at 2015-01-17 23:47
inaxさん、こんばんわ!!ご無沙汰しております。
久しぶりに読み応えのあるエントリーですね。 なかなかフライフィッシングに特化した記事や タイイングに関するブログが少なくなっているので(ボク自身もですが*笑) 楽しく拝読させていたきました。 この釣りを始めた頃、ダビング材って手軽に買えてしまうがために 初めて訪れたショップの“偵察”時にやたらと買っていた記憶があります(笑) やはりお気に入りのモノから、そうでないモノまで やたらと増えてしまいますね・・・そして、なかなか減らないんですよね(^ ^ あ、二週間が過ぎましたが・・・あけましておめでとうございます(汗)
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inax
at 2015-01-20 08:34
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terryさん、ご無沙汰してます!
久しぶりの書き込み♪ありがとうございます。 このブログ…覚えていてくれたのですね。感無量です(笑) 大したネタしか出せなくて(昔も今も)恐縮なのですが…また、たまにで良いので(笑)遊びに来て下さいね。 あっ…そうそう、おめでございます(爆) |
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