外気温時計は1度。
水温は計ってこそいませんが、手を入れた時の感覚で3℃ほどでしょうか。
あまりの冷たさに水の中には10秒も浸けていられない程です。
こんな水温ではまともな羽化は疎か、ヤマメ達の活性だって期待できないもの。
モノトーンで生命感の無い鏡のような水面をぼんやりと眺めていたら
な、なんと流れの彼方此方でライズが始まり出したのです。
一応、魚達の流下の記憶を期待して、昼間はたらふく飽食しているであろうシャックパターンを“様子伺い”で流し込んでみると、ライズのひとつが応えてくれました。
今回はこのパターンかなぁ…と、更に次のライズを狙ってみます。

その後、『楽勝』とまでは行かないまでも、魚の反応は上々だったのですが…
どうにも様子がおかしい。
フライに出るものの食いが浅くて直ぐにバレてしまいます。
これもまぁ、人影途絶える事の無い激戦区だから仕方が無いのかな?と思いつつも何か釈然としない。
そんな中、軽くドラッグが掛かると反応してしまう場面を見て、ようやくコレは『シャック』ぢゃないなぁ、と確信。
いやはや…油断しておりました。
この時期の羽化と言うと、ついついユスリカやブユ当たりに意識が行ってしまいそうですが、実は川底に堆積した落ち葉の裏側に大量に生息するアレの存在を、つい忘れていました。
そう、アレとはクロカワゲラのこと。

これは釣れたヤマメのストマックから出て来たクロカワゲラの幼虫。
よく見るとわかる通り、ウイングケースが黒くなっていて羽化直前の個体であることが一目瞭然。
余りの低水温に羽化は無いモノと、てっきり思い込んでいたのですが
とんでもない!
羽化の為に葉の裏から移動して(泳ぐのか流れてしまうのか判りませんけど)大量のクロカワゲラが流出していたワケです。
こうした個体は、水面付近を流されながら岸を目指して泳いでいるようですね。
魚もその事は承知の様で、対岸コンクリート壁の際スレスレに定位してライズしますし…
実際今回も全く同様の現象が見られました。
でも…コンクリートの水抜きの穴に、何故か木の棒が突き刺さっていて(笑)
これにフライを取られまくるハメになってしまいました。


こんな時は理想とすればフェザントテールを浮かせたようなパターンが良いのですが、さほどスレていなければ、サイズを合わせたガガパラ(パラシュート)でも釣ることが出来るもの。
流石に今回は『激戦区』ということで、そう簡単には行きませんでしたけどね。(-.-;)
今回は似たような色合いとサイズのスペントパターンを若干トリミングして対応。
そこから、釣れてくるサイズがワンランクUP!。

水面直下を流される虫も結構動いているようで、出る(であろう)直前にドリフトを一瞬止めてやる(もしくは意図的に僅かなドラッグを掛ける)と躊躇無く食うような出方をしてくれます。
以降、お陰さまで(笑)フライに出てもフッキングしないということは一度もありませんでした。
気付けば仕事の時間が迫ってしまって、結局は小一時間程度しかライズに向き合うことが出来ませんでしたけど、ココだけで二桁の釣果は上出来だったかな?
こんなクロカワゲラの羽化も、たぶん今月一杯で終了です。
近々に神流川C&Rに行かれる方がいらっしゃるのであれば、早朝のこのクロカワゲラの流下はかなり楽しめると思います。
是非挑戦してみて下さい。

この時合いにニンフで探れば、その何倍も釣れちゃうんでしょうけど(笑)ライズしている以上はドライでも狙えますので楽しんじゃいましょう。