エントリーの容易さ、水生昆虫の豊富さ、魚のアベレージ的な大きさ(大きくなれば賢くなる)
さらには首都圏から1時間圏内といった要素を満たす甲州を代表するこの川は、文字通り激戦区。
土日は言うに及ばず、平日でも川面の様子を伺う釣り人の影は途切れることがない。
タイミングが悪いのか、元々の相性が合っていないのか?
この川ではなかなか良い思いを作れていない僕なのだけれど、この季節になると年に一度は訪れる。
今の時期、この流れに置かれたランディングネットに横たわり、撮影された豊満で目つきの悪そうな(笑)尺ヤマメの写真が続々とSNSで手元に送られてくると
もう居ても立ってもいられない…というのが本音。
コッチが脳内に勝手に描いている筋書き通り、簡単に釣れるようなことなどほとんど無いのは判っているんだけど…。
解禁してから…一通り学習が行き届いた?であろうライズは
どれも一筋縄では行かなくなっていた。
行く先々のポイントの民家の裏手の流れ(…というか、ほとんどがそういうポイント)では
ライズフェチなフライマンなら唾涎ものライズリングが真っ昼間から流れの彼方此方で描かれている。
身を屈め、自分の引き起こすシームに細心の注意を払いながらライズとの間合いを詰めるべく、にじり寄り、ドリフトに必要な分だけのラインをティップから出してから、影響外(と思われる)上流部にフォルスキャストなしで投入。
そっとフライからライズに送り込むのだけど、フライやラインが一度でもレーン上に通過した時点で、ついさっきまで定位して繰り返されていたライズは
まるで申し合わせたかのようにピタリと止まってしまう。
※この絶望的な状況に、苦悶の表情がバレないサンマスクが早速活躍(笑)
僕が普段から好きな釣りの一つ、利根川本流の場合だと、見つけたライズの数だけ釣れてしまうモノなのですが
(その分、ライズを見つける労力の方にパワーの9割方が占めるケド)
その感覚を切り替えないうちの、この仕打ちには思わず思考回路が停止してしまいます。
朝一番から、そんな一筋縄でいかないライズばかり相手にさせられたお陰で(笑)徐々に冷静さは取戻すことは出来ました。
ライズの停止から再開までの時間を計って、そのタイミングでフライを送り込んだりしたのですが
それでも役者は二枚も三枚も上手だったようで、コチラの読みの更に上を行く(笑)
結局は幾つか巡ったライズの中で
川底が急激に駆け上がり、着水直後からトップギアでドラッグが掛かるような
全域吹き上がり
の“ひらき”についてライズしていた百戦錬磨なヤマメだけは
フライへの見極めが少々甘かったようです。
別に何でも食ってる状況ですね…フライ以外は(笑)
同じ場所で、更に良いサイズ(と言っても泣尺クラス)にも口を使わせたものの、フッキングまでには至りませんでした。
結局はその後も、プレイブまではランガン。
薄暗くなる直前まで終始ライズに弄ばれた一日で〆となりました。
安定からの逸脱。
羽化の切り替わりは勿論のこととして、何かしらの非日常的なイベントでも無い限り
この現状から抜け出すのは難しいのかもしれません。
今回、地元と東京の仲間がサポートに付いてくれたお陰で、個人的には『至れり尽くせりの大名釣り』だったワケですが
そんな方々の期待に応える事がなかなか出来なかったのが心残りではありましたけど…
悔しいけど、この状況は僕程度では、どーにもなりませんでした(泣)
次回の釣りは寿命を数年縮めるような『運』を総動員で望まないと駄目かなぁ。
追記
場所柄、消化不良的な写真掲載しか出来ないのは御勘弁下さい。