ついつい僕たちはフライを巻くときに
本物の虫に、どれだけ近づけるか(サイズ、色、形)というところ
だけ
に焦点を合わせがちになります
ただし
リアルを極め、本物そっくりな擬似ばりというものは
得てして
肝心の魚たちの受けが悪い?
ということも、これまた周知の事実
優れたハッチマッチャーというのは
何が何でも『本物に近づける』のではなく
『本物を連想させる』
という、少し曖昧な要素が重要に思います
連想というか、雰囲気というか
ことマッチング・ザ・ハッチのシーンで求められるものに関しては
実はあっけないくらい簡素だったします
ちなみに上のフライは
前回の記事で釣れたパターンと同等のフライになるわけですが
こんなモノでも、魚の方はしっかり『本物のクロカワゲラ』であると認識している
ということ
(本物の捕食する動作と全く同じに、ゆっくり咥えてくれました)
よく言われる『十字』効果の他に
これはかなり以前に、僕自身も雑誌にも書いたことがあるのだけれど
こうした『棒』(寸胴)形状というのもまた
魚の捕食スィッチがONになるシグナルのようです
(逆を返せば、大なり小なり、魚達の主要となる水生昆虫の最大公約数的な形状ということになるのでありましょう。)
流下量が膨大で、魚の捕食が連続的になればなるほど
魚は餌となる対象昆虫の細部など、一々見ちゃいません
ソレっぽいものが、タイミングよくソコにあること
が大事なのです
ただ時には
本物には存在しない要素
が見え隠れすると魚はとても警戒し、捕食行動にブレーキをかけられちゃうこともしばしば
それは、ここでは
ティペットやフックということになるでしょう
そんな時の解決策は二つ
これらの存在を物理的に隠蔽するか
それらの存在を打ち消すほどの(魅力的な)信号を発信するか
のいずれかでしょう
またそれとは逆に
流下が始まりかけ、魚が上に意識を向け始めたタイミングには
本物には存在しない要素(動き)
(フックの煌めきやティペットのライトパターン)
が魚の関心を引き、捕食の呼び水になることもあります
これらは、膨大(過ぎる)流下の時にも起こったりもしますから
ややこしい話ではあります
僕たちは、ついつい
全ての事象を理詰めで解釈したくなりますが‥‥‥
相手が『生き物』である以上、時に想定外な行動もあれば、判断ミスだって犯すわけで
だから
あまり深く考える必要もないでしょうね
人間が魚と会話できない以上、僕がブログで書いていることは
あくまで仮定の話です
全てが正解であり、全てが間違い
なのですから