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2020年 05月 07日

パートリッジニンフのタイイング

フライタイイングの手順なんて言うものは
フライを見れば、おおよそ予想が出来てしまったりするものなので

いちいち改まって解説するのには
どことなく憚かりを感じる気持ちがあるものです

ただ

自分では「当たり前」として理解し、こなしていることが
案外と「当たり前でなかった」りすることも多かったりするので

このような手順は、定期的な記事としてアップしていこうと思います



そんなわけで
前回の記事で紹介したニンフのタイイングの解説です


パターン的にはシンプルなフライですけど

タイイング中でも
一瞬「呼吸を止めてしまう」ほどに緊張感を求められる工程というのが
数カ所あります

1本のマテリアルをフルに使ったタイイングって言うのは
何処か一箇所でもバランスを崩すと、それがフライ全体にまで影響を及ぼしかねないので
そういう意味では、難易度は割と高めです

見様見真似で、最初の一本目から上手く巻けてしまったりもするのですけど
意識した2本目以降から、途端に上手く巻けなくなってしまうのも
この手のパターンに多いですね(笑)

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11105995.jpg

使用するフックはガマカツのR17-3FT
エクストラファイン(3X)のナノスムースコートで、割とタイイングしにくいタイプのフックです

本番用では♯16前後になるのですが
慣れないうちは♯12くらいで巻き慣れておくことをオススメします

とにかくシャンクはツルツルに滑りますし
強いスレッドテンションではフックも容易に曲がります

このフックで安定して巻ければ、大概は何処のメーカの、どのフックを使っても
余裕で巻けると思います


パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11105641.jpg
使用するスレッドは

ここ最近は
Semperfli Nano Silk スレッド(ホワイト)

オンリーです

価格は通常のタイイングスレッドの3倍近くしますけど
コレに慣れちゃうと他のスレッドは、使う気しなくなります

フライのイメージに合わせて着色しながら使えるので
スレッド色はホワイトがあれば充分


スレッドを何色も揃える手間やコストは必要ありません

使わない色のスレッドが、ゴロゴロ転がっていたり
高価なボビンホルダーを何本も購入しなくてもよいので
無駄買いは減ります


下巻きは最小限で、瞬間接着剤は必ず滴下して下さい
ナノスムースコート・フックでのタイイングでは
お約束の儀式です

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11105049.jpg
テール用の部材はフェザントテールから切り出します

とりあえず「三本」ほどデバイドしたら
ストークに対して90度まで「立ち上げて」からカット

こうすることで、模様こそズレますが
先端はキッチリ揃います

そしてカット

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11104790.jpg
テールの長さは、特に決りはないので
ここら辺はセンスで決めて下さい(笑)

テールは切れやすいので、それを見越し
多少多め(数本程度)に付けても良いと思います


因みに、この手のクリンガータイプのニンフのテールは

「本物は二本」


なぜ二本にしないのか…は
仮に1本切れちゃった場合に、何となく水中でのバランスが崩れそうだから…の
敢えての三本(笑)

二本付けにして、使っているうちに一本取れちゃったとしたら
潔くテールは千切っちゃいます


餌釣りでは、テールが取れてしまった「チョロ」でも充分に釣れるので(笑)
僕自身の釣りでは
リアルに本数を意識することは殆どありません


何から何まで本物と一致させなければ「嫌だ」という方は
自由にそうして下されば良いし
そういうのは、僕は全く否定しません

この釣りでは「こだわり」はと〜っても重要だし
リアリズムに関しては、むしろ肯定的です

ただ、僕は基本的に不器用ゆえに
「巻きたくても巻けない」

と言うのと


元々が、セッカチで面倒くさがり
同じ作業の繰り返しが、かなり苦手な性格ゆえ

こうした「パッ」と見た目の直感重視な

一筆書きのようなフライ(爆)

を多品種少量で巻くほうが「性」に合ってるみたいです

あぁ、話が脱線気味ですね(笑)

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11104439.jpg
その後は、一気にアイまで巻き上げます
アイは付け根ギリギリまで攻めます

ボディーの段差が気になるようでしたら、フェザントテールは巻込んじゃいます

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11103675.jpg
なるべく、模様がキッチリ出ているパートリッジ(ブラウンバック)を用意します

コチラは裏面

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11103413.jpg
こっちが表面

根本のウェブは取り除いています

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11103115.jpg
ストークは、爪で上から押し付けることで
平らに潰しておきます

これで下拵えは完了

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11102939.jpg
裏側を表面にして

シャンクの真上にセットします

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11102611.jpg
わかりやすく真上から

こういう作業はロータリーバイスが使いやすいです


この状態から、右側にストークを引っ張っていきます
その際、スレッドは2回転程度の仮止め

これ以上はテンションが掛かりすぎてしまいます
パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11102435.jpg
シャンクの下部にパートリッジが回り込まないように注意します

このフックの場合、特にシャンクが細いので
マテリアルがシャンク(裏側)に回り込みやすいのですね。
パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11102033.jpg
側面のイメージは、こんな感じ
パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11101883.jpg
付け根側のファイバーが
スレッドから抜けてしまうギリギリの線でストップ

この見極めが、このフライ最大の難所と言えます

パートリッジのファイバーが
左右均等、かつ重ならないように付けられるのが理想なのですが

♯16以下のタイイングでは、あまり現実的ではないので
無視して良いと思います

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11161008.jpg
余分をカットし
再びアイの付け根ギリギリまで巻きあげます


パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11101122.jpg
レッグ用のパートリッジは

余り物で、品質的には、あまり良くなくて充分です

足の長さが調整できなくなるので、基本的にハックリングしません
使用する中間部分のみ

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11100292.jpg
シャンクの真上

フライの正中線上にレッグ用のストークを乗せ

テール側にストーク(テール材)を引っ張ることで
レッグを窄めさせます
パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11100075.jpg
ちょっとわかりにくいので、斜め上のアングル

先ほどつけたパートリッジの付け根のところで
レッグがデバイドします

位置が決まったら、レッグ用のパートリッジのストークを
テール側に引いて、レッグ長を調整
(引けば短くなる)

パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11095874.jpg
余分なマテリアルをトリミングしたら

最後はパートリッジをオーバーラップさせ

スレッドは後端でフィッシュさせます
パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11095468.jpg


パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11094754.jpg
カット後、更にスレッドでカット面の段差を
最小巻数で巻き埋めて

終了


パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11094625.jpg
パートリッジニンフのタイイング_c0095801_11094306.jpg
使用上の注意としては

ライン等にフロータントを塗布する際に、誤ってフライに付けてしまうと
なかなか沈まないニンフになってしまいます(笑)


ここ最近、ニンフにレッグを付けるようになってから
流れをよく掴むのが良いのかわかりませんけど

コレはコレで、結構良いです



by sureyamo | 2020-05-07 16:30 | fly tying | Comments(0)


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