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2025年 02月 09日

OWL


いまから約8年前
僕が個人事業を開業した、その年からお付き合い頂いている会社様があるんですが
当時、社長さんの飼っていた鳥から抜けた風切羽を、一枚お守りとして頂いたことがあります

良く見れば、これがなかなか特徴的な羽なのですが
フライフィッシングをしている割には、最近まで無関心でした

実はこの羽の持ち主は

「コノハズク」

日本に生息する小型のフクロウのことです


コノハズク…というよりも「ブッポウソウ」という鳴き声のほうが
僕には耳馴染みが良かったりして
昔は、この鳥のことを本気で“ブッポウソウ”だと信じていたのですよね

でも本当にブッポウソウと呼ばれているのは
似ても似つかない…全く別の鳥の名前だったりして
ややこしい鳥(笑)ではあります



まぁ、それはともかくとして…
そんなフクロウ目フクロウ科の事を調べていくと
他の鳥の羽には見られない特徴が出てきます

フクロウの羽の構造(セレーション)に寄せることで
新幹線のパンタグラフの風切音を3割も軽減することが実現したとか、そういう有名な話はありますが
※興味のある方は調べてください


でも…僕が注目したのはコレ
OWL_c0095801_09594783.jpg
これは鳥が羽ばたく際に、羽同士の擦れる音を軽減するための
細く繊細な産毛


フライマンとして生まれてきたなら

目の付け所はココでしょう(笑)


マテリアル名ではOWL(フクロウ)になります



フクロウ目フクロウ科の羽って、皆同じような特徴を思っていると思って
良いんじゃないでしょうか…知らんけど?
※別にフクロウそのものに興味があるわけではないので、深く良く調べていませんけどね

OWL_c0095801_10004915.jpg
フライタイイング的には、ウェットフライのマテリアルとして
左右ペアで流通しているのが一般的なようです

ペアとなると、商品的なクォリティーの問題も発生するので
設定価格としては、やはり若干は高めにはなってしまいます

ただ
僕のように単体で使うことが目的であれば…当然ペアである必要はないので
同じ価格でもB級状態の抱き合わせ次第で、オトク感満載のマテリアルも存在します
※…とは言え、マテリアルも本当に高くなりました(^_^;)

ちなみに
セカンダリー、プライマリー等々ありますが


フライの巻き代の関係から
大きければ大きいほど(ストークが長いほど)使いやすいです
OWL_c0095801_10002602.jpg
センターから右側(↑上の写真の場合)の模様の密な方で巻くと産毛は少なく
フライが巻き上がった印象は全体的に濃くなります

フェザントテールに近い感じ…といったほうが分かりやすいかな?
OWL_c0095801_10003511.jpg
なので必然的に
産毛全開の反対側が核心部ということになります


僕が気にしている、もう一つ重要な項目

それは
縞模様


の入り方




一本一本のストークの何処かで
必ず一箇所だけ模様が入ってしまう(^_^;)

ソリッドで取れるストークが、実はかなり本数が限られる

ということ


小さいサイズであれば、さしたる問題でもないのだけれど
#16サイズあたりから

巻いていると

この模様が必ず何処かにでてきてしまう(^_^;)



真っ先にハジかれそうな…
OWL_c0095801_10010511.jpg
こういうのこそ、実は

「神」


だったり(笑)



マテリアルの見た目の美しさにとらわれるのではなく
フライに仕上がった際の模様まで逆算する!


でもまぁ、自分の場合
たまたま
良いマテリアルが入ったから、そんなこと言ってるだけです(爆)けどね





お察しの方も多いと思うけど
先に掲げた記事「キラーシャック」のマテリアルは

まさにコレ!
OWL_c0095801_09584293.jpg
教書的なタイイング技法では
複数本を細い方から巻き上げたくなりますが

産毛を立ち上げつつ、体節もキッチリで表現するなら
使用するストークは1本のみ
太い根本の方から巻き上げると、誰が巻いてもこの写真みたくなります




それなりに弱いマテリアルなので補強は合った方が良いです
リブを入れる等の補強策は、せっかくの産毛を潰しかねないのでオススメしません

動画でも公開していますが
シャンクに薄くレジンを塗布し、その上へストークの密巻き→UV照射による固着
※くれぐれも産毛まで固めないこと
が今現在ベストです


でもまぁ、そういうタイイングしているド変態は
今現在、僕意外にいないでしょうけど(笑)ね


ちなみに冒頭のコノハズクの羽は
銀行通帳の栞代わりに、いまだ大事に持ち歩いています



by sureyamo | 2025-02-09 11:14 | fly tying | Comments(0)


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