
日本のマッチ・ザ・ハッチを語る上で、この虫を避けては通れません。
この虫は、カディスと同様に幼虫、蛹、成虫という三つの変態過程を経て産卵に至るのはご存知の通り。
そんな中でも、最も捕食される確率が高いとされるイマージング過程の「蛹」を表現したフライパターンは特に有名でありましょう。
ユスリカは、その成長の過程で川底の有機物を栄養源とします。
その時、川底に含まれる栄養塩類と呼ばれる富栄養化の要因となる窒素やリンを同時に体に取込み
その後「羽化」というカタチで川から離脱する事から河川の水質改善に一役かっているそうです。
またユスリカに限らず、こうした水生昆虫の生息は、全般的に川底の酸素供給などの物理科学的改変を促し
健全な川底の保持の一反を担ってる他、魚達の恰好の蛋白源も兼ねています。
昨今の河川がフライフィッシングフィールドとして体裁を維持するのに、魚の存在もたしかに大切ではありますが…
こうした水生昆虫の事も忘れてはならないでしょう。
そうした一方で、ユスリカはアレルゲン保持の対象昆虫の一つとも言われています。
ユスリカの吸飲でアレルギー反応を起こした…なんて、以前ニュースでも取り上げられました。
ダニやノミならつゆしらず、ユスリカアダルト1匹堂々と鼻から吸飲した日には…
アレルギー症状が出る前に、ひと騒ぎなのですけれど…ねぇ。
さて、釣りの話に戻りまして…
渡良瀬川でも、ユスリカのフライパターンはと〜っても重要。
サイズや色は、その年回りにより若干の変動はあるものの、基本的には他所の川とで大きく変わる部分はありません。
そんな事から…ともすると「早春のライズは“ユスリカ”で…水面直下だったら“ミッジピューパ”一辺倒」的な釣り方に成り下がりがち。
激戦区では、いつでもそれが通用する程甘くないようですが。