
ある年の初夏。
友人と共に迎えた日光湯川のイブニング。
日没と共に急に激しさを増したライズに僕達は狂喜していた。
夜の帳を纏い始めた静寂の湿原に
血気盛んなパーレット達の奏でる炸裂音だけが鳴り響く。
とりわけ控えめなライズに的を絞って届けられたフライは
まるで、そうなることが当り前の様に忽然と水面から消失。
コルクを通して伝わってくる重量級特有の躍動は、わすか数秒ほどでキシむような手応えに変わる。
それは魚が梅花藻の中に潜り込んだ事を意味していて…
そうなってしまってから先の展開で、上手くいった試しはないのだ。
失意の中でふと我に返る。
周囲の暗さに圧倒され、少々慌て気味にラインを巻き取りつつ振り返ると
既に木道に上がった相方が仁王立ちしてお待ちかね…というのが
湯川では毎度のエンディングパターンなのだ。
「懐中電灯持ってきた?」
「えっ? お前持って来なかったのかよ」
「1個あれば充分じゃん。早く出せよ」
「俺もねぇよ」
戦場ケ原のど真ん中。
闇の中に見事取り残された愚かな高校生二人組、言い合いの図。
“イブニングライト”
イブニングの帰りに足元を明るく照らす心強い相棒。
アウトドアーズマンご用達イブニングライトといえば“MAGLIGHT”です。
自分もご他聞に盛れず、最初に購入したのは“MAG”
衝動買いで購入したのはカモフラージュ柄。
当然の事ながら山で落として一発で紛失(←瞬失!)。
迷彩効果は絶大でした。
次には、妹が所有していた特大サイズのMAGを拝借。
(アメリカの警察官が良く使てるヤツで、なんでこんなゴツい“MAG”を妹が所有していたかは不明)。
あまりに重いので河原でベストから出しておいたら…そのまま忘れて来てしまった。
妹よ…ごめん。
今の主流は、何と言ってもLED。
LEDというと廉価なイメージがありますが、実際には“ピンキリ”。
高輝度LEDとなると性能も価格も段違いです。
自分が今現在愛用しているのは“
surefire”社。
知る人ぞ知る、軍や法執行機関ご用達の目眩し用高性能フラッライト。
イブニングの帰り用ライトとして使うには、少々オーバースペック(&オーバープライス)。
この“E1L outdoorsman”シリーズはミニマムな12ルーメンモデル。
“surefire LED”では100ルーメン前後がスタンダード。
そう見ると、12ルーメンなんて大した事がないと思われますが
この数値に騙されてはいけません。
少々スポット気味の設定のせいで照射対象が近すぎると眩し過ぎて使えません。
オプションの“ビームセーバー”を装着して、どうにか実用的レベルといった感じです。
キャップのツバに挟む事ができるのは、クリップが逆向きのこのモデルのみとなっているようです。
最近はイブニングまで粘る事もしなくはなりましたけど
イザという時のライトは明るいに越した事はありません。
一生モノと考えれば…そんなに高いモノでもないとは思っているのですが…
どうでしょう。