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2007年 01月 25日

white & natural

white & natural_c0095801_23194251.jpg

 今回は、吊り下がり式のミッジピューパパターンとしては、もっともポピュラーな、こんなフライのポストに使われるCDCの「色」について…少々。

誰しもフライボックスの中には、これと思しきフライが数本は入っているとは思います。
そして、このフライのポストに使われるCDCの色は…恐らくはその大半がナチュラルカラーで占められているのではないでしょうか?。
ここら辺は“暗黙の了解”的な感覚なのでしょうか。異論を唱える方も少ない(殆ど、いらっしゃらない)ようです。たまに「他の色を否定する」意見も耳にしたりする位です。
たしかに、この部位にナチュラルカラーを使用したしたミッジピューパは、実際に良く釣れます。でも…だからといって、この色以外はダメ!という理由にはなりません。

興味深い事例を挙げます。
ある年、早春の渡良瀬川の団地裏での事。
ユスリカだけが、一日中ダラダラとしたハッチを繰り返していた一日でした。
当然のように、ヤマメ達が水面直下のピューパを捕食するライズリングが、流れのそこかしこに広がっておりました。
この時…反応こそすれど、口を使うまでには行かなかったフライと、そうでないフライ(←釣れたという事)の徹底的な違いは、なんとCDCの色だったのです。
それも無視され続けていたフライは、定番の「ナチュラルカラー」であり…効いたのは「白い」方だったです。
試しに、全く同じ仕様のフライで「CDCの色を変えただけ」のタイプを、同じライズに交互に流し込んでみたところ(対象としたのは5〜6匹程度)食ってくるのは、やっぱり後から流す「白い」方でした。
二回目のドリフトというのは、普通に考えると不利なハズなのですけど…ね。
(ちなみに、当時は今と違って、そんなにスレてはいなかった事を付け加えておきます。)

white & natural_c0095801_2320521.jpg

 水表面裏側というのは、ある一定の浅い角度から見上げた場合、水中にあるモノだけを映り込ませる鏡面として作用するのは既にご承知でありましょう。
くだんのピューパパターンも、この角度で捕食まで至ってしまうようなケースなら、ポストに別に何を使おうと、然したる問題にはならないのでしょう。
(※この写真のピューパは、CDCのポストで水面を支えていない点に注目。これはダビング材で水面を支えている初期段階の浮き方です。度重なるプレゼンテーションで最終的には、このダビング部位は没してしまいますが…CDCのポストが後に控えているので、浮力は当分安泰。)


で、問題となるのは「深い角度で見上げられた」時。
CDCの色で差が出た…という事は恐らく、この時のフライもまた、そんな状態で魚に見られていたに違いありません。


 ポストは、本来実在するピューパに存在するハズの無い部位ですから、ここは心情的にも隠したいトコロです。
(…であるならば、実物にない部位がナチュラルカラーのCDCでないと釣れない…という話も変ですね!(笑))

即座に考えつくのは、フライの死角に収まるようにボリュームを抑えたポストの形状にする事です。
ただ、こうするとフライの浮力は著しく低下し、そのリカバリーが「手返し」に影響してきます。
そこでポストを物理的に隠すことが無理ならば、この部位を背景に溶け込ませれば(フライの背景となる空のトーンに近づける)その存在感を抑えることができるのでは…という考えに及んだのです。
そういった考え方からすると“白”という色は、あながち的外れとは言えないと思うのです。

余談として…「逆光用のピューパ」だからと、ポストにダーク系のCDCを使ったパターンを安易に巻いてしまいがちなのですが、同上の視点が正解だとすると当然お薦めは出来なくなります。
自分も事あるごとに試しているのですが、やっぱり…なのでしょうか?
こんなフライには、なかなか魚も口を使ってくれません。(-.-;)
きっとポストの存在がバレバレで、フライの全体像に「ポストが含められてしまっている」のでありましょう。それでも、たまに釣れてしまう事もあるのですが…多分そんな時は、こんなミッジピューパで無くても釣れてしまう時なのでしょうね(-.-;)

 今度、こんなフライ達を現場で選ぶ機会があったら、ティペットに結ぶ前のフライを、ちょっと空に翳して…ポストのトーンをチェックしてみて下さい。こんな視点のフライセレクトがあっても面白いと思うのですが…どうでしょう?

補足
 最近の自分の仕様は、明るめの「ダン」カラーがメインです。
ナチュラルよりも見やすくて、でも「白」ほども主張しません。使っていて気持ちいいし…案の定、良く釣れます。
ポストのCDCも逆毛仕様。ボリューム的にもグッと抑えてありますから、事例に挙げた当時のフライとは比較にならない実戦的なスペックです。
そんな…春先が待ち遠しい1本は、また次の機会に…。


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by sureyamo | 2007-01-25 23:26 | under ♯20 Maniaccs | Comments(6)
Commented by Rolly at 2007-01-26 00:28 x
こんばんわ!!
なんとも奥が深いお話でした。というのも、僕CDCのポストの色には大してこだわっていないのです。背景の色との絡みに関しては思いもつきませんでしたが、ポストを意識されてるなぁ・・・と思える状況の時は、ポストそのものというよりも、ポストが水面に落とす影の存在かな、、と思うようになり、水面にぶら下がるギリギリの量さえあればOKと考えて、CDCをほんの数ミリだけ残してバッサリカットして使っています。

あんまり出会いの無い長良川美濃橋のアマゴなんかも、このCDCをカットした途端に好反応だった経験も手伝ってか、以降しょっちゅうCDCをバッサリやってる僕です(^^;
Commented by inax at 2007-01-26 00:52 x
●Rollyさん
こんばんは!
影に関する影響云々は、ちょっと経験がないので判りませんが、充分考えられる要素でもありますね。
Rollyさんの対応策は、文中にも書きましたが“ボリュームを抑えた”手法ですね。コレが出来れば一番なのですが、廻りの連中は、自分も含めて老化現象が「目」に来ておりまして…(-.-;)これが結構切実だったりするのです。年は取りたくないものです。
 
Commented by 順坊 at 2007-01-26 09:12 x
おやようございます。
僕は、まだそんなに色んなパターンのフライが、巻ける段階では無いですが、CDCパターンのフライを巻く時は、白系のCDCをチョイスしてます。
何故?自分にとっては、どんな状況でも(朝・昼・イブ)その色のフライが、1番見やすいんですよ。
結果釣れたんですかね?CDCの色!奥深いですね
Commented by inax at 2007-01-26 10:48 x
●順くん

おはようございます。
 ポストの色なんかより、フライがちゃんと自然に流せている方が数倍は大切ですから、そういうドリフトを習得する過程で「最初はシッカリ視認できるフライを使う事が、やっぱり必要なんだなぁ〜」という部分に行着いてもらえれば、今回エントリーの「裏ハッチ」はクリアです(笑)。
 以前は、ポストで使うCDCの8割以上は「白」を使っていました。ナチュラルカラーにこだわらなくても、普通のライズなら問題なく取れて来ていますので…今だにそう思っております。そうなると、流れが複雑でフライが不自然な流れ方をしそうな時などにも、出番はありますね。
「ナチュラルも釣れます。でも白だって…釣れます」
右へ習え的な「ナチュラルカラーの方が釣れる!」という意見は、私的には妄想以外の何モノでもないと…そんなトコです。
Commented by さこ姐 at 2007-01-26 12:25 x
私もinaxさんと
同じ様な経験をしていました!!
・・・でも私の場合は。。。見た目がかわいいとか(色が)きれいとか、
しょうもない発想が先なんですけど、、、
白やナチュラルだけじゃ、ピューパboxが淋しいから(?)
それこそ色々なカラーのポストを作ったんです。
かなりきついピンク、むらさき、グレー、桃色、山吹、etc...
今でもboxに残っているのが、グレー、桃色、山吹です。
(モチロン白とナチュラルも)
感覚的に「釣れる」から、だったけど、「違う!!」んだね(≧∇≦)
すっごく興味深く読ませて頂きました!!
何時もそうなんだよ・・・けど、気後れして・・・(^^;ゞ
               ↑↑↑らしくね~
自分でつっ込んでおきます。
Commented by inax at 2007-01-26 12:42 x
●姐さん

こんにちは。色とりどりのピューパなんて、ぶっちゃけカワイイじゃないですか。
全然…しょうもない発想だなんて風には思いませんよ。
こういった遊び心のあるフライは、気持ち的な余裕と確固たる自信がないと、なかなか巻けませんし…使うことなど到底出来ません。
釣れてしまう事実。これ以上の正解はないワケですから、誰に何と言われようと自信を持って使い続けて下さい。

それと、すいません…今夜電話しますね。
昨夜は疲れて、気が付いたら寝てました (-.-;)


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