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2007年 03月 17日

7時間半の杭(悔い)

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 今年の渡良瀬は正直言って本当に読めない。ハッチも、そして魚の動向も…。
こういう話題の矛先は、最後は温暖化を含めた地球規模の「異常気象」に行き着いてしまうのだけれど…そんな真偽の程は別として、自分の持っている経験則はココのところ裏切られっぱなしだ。
 
 今回出向いたのは、今期の渡良瀬桐生区間で恐らく「最もライズの手堅い」とされる一角。“ここに入れれば、必ず何かあるハズ”。
様々な“思い”や“見栄”と言った諸々を封印し、こういった場所への一番乗りを決意するあたり。自分で言うのもなんだけど…確実に追い込まれている証拠だ。

 河川敷に車を留めて10分後には、ロッドを繋ぎながら中州に向かっていた。
時間はまだ朝5時を少々回った頃。フライマン・ルアーマンは言うに及ばず、今朝は餌釣師さえも出し抜いた展開だ。
 「早春のマッチング・ザ・ハッチ」が聞いて呆れるのだけれど…今日相手のヤマメ達は生粋の?養魚場育ち達ばかり。恐らく、朝のユスリカの飛翔(既にハッチ済のアダルト)に誘われるヤツも数匹はいるかも知れない。
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 水温は5℃を少し回ったあたり。“パキン”と張りつめた静寂の中にある朝の渡良瀬は、特に好きなシチュエーション。風もやや吹き上げの微風で条件的には悪くないのだけれど…見たところ何も起こっていない。
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 全然届かない対岸際のテトラの前で、大きなライズが数回。真っ赤な魚体を見て、まぎれもないアイツだと直感した。まだ釣られずに健在のようだ。本来ならとっくにルアーの餌食なんだけど…。

それにしても、本命のライズが一向に起こる気配ない。
先週の土曜日には、正面峠道の歩道を歩く人が見入ってしまう程、隊列を組んでライズしていた(という話)ヤマメ達は何処へ行ってしまったのだろうか。水温はいつのまにか7℃を越えていて、ハッチの気配は濃厚なのだけれど…。
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 眠気を誘うに充分だった心地よい吹き上げの南風は、日が高くなると、いつもの吹き下ろしの強風に変わってしまった。本来、風裏になるハズのこの一角も、今回は見事直撃。
いつもの「赤城おろし」ではなくて、吹く方角の微妙な違いかもしれない………と、そんな事より、継ぎ目のない吹きっぷりに、フライを浮かべる猶予を全く与えてもらえない。
こうなってしまうと、もはやお手上げ。
 時計の針は正午を30分ほど過ぎたあたり。後から来て、自分より先にあがってしまった常連の後を…結局は自分も追うしかなかった。
本流釣りの繊細さと厳しさを、また更に脳裏に擦り込む結果となってしまった。
こんな展開の経験則なら、ウンザリするほど蓄積されているのだが…。
 
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今日もロッドを振る事が出来なかった。
明日の桐生地区は放流日で、お祭り騒ぎになることは必至。明日もこの場所に入ったところで、今の自分が納得できる釣りは、まず望めない。
釣れれば良いとか、その程度の問題なら何もココまで苦労もしないだろうに…つくづく厄介な趣味に首を突っ込んでしまったと思うことしきり。

そうは言っても、とにかく渡良瀬で1匹釣らないと始まらない。是が非でもライズを取りたい。
他の河川では躊躇なく「沈めた釣り」に没頭できるのに、ここではそういう回路に全くスイッチが入らないから不思議。
もともと自分にとって渡良瀬とはそういう川。これも何かの「定め」なのかも知れない。

 シボレーも、ラジエータの修理からようやくあがって来た事だし、明日は県境を超えた足利地区の渡良瀬川をリトライしようと思う。
噂では先日、ガガンボのスーパーハッチがあったそうだけど…どうなんだろう。
明日はまた、懲りずに早起きかな。

by sureyamo | 2007-03-17 22:30 | River fishing | Comments(6)
Commented by 江戸のゴリ松 at 2007-03-17 23:29 x
お疲れ様でした。

今日は二つの失敗を犯して・・・先程、伊豆のカーズから戻りました。
しかし、inaちゃんふて寝かい!?
(※過去私は、その場所で爆睡して、inaちゃんに放置されました)
例の「確実のポイント」でも無いとなると、辛いですね。
でも「ザイル」だけは・・・42は若くないんだから・・・。
ゆうだち雷雨の中、inaちゃんにリモートコントロールしてもらった場所も異常無し?
Commented by Rolly at 2007-03-18 00:57 x
Inaxさん、お疲れ様でした!!!
僕も以前に8連ボを喰らった経験があり、見栄とか思う心を封印して臨んでも全てのベクトルが壊れている、、と感じた事がありました。ほんと、その時はマッチ・ザ・ハッチが聞いてあきれるような、別チャンネルの釣り(放流直後の魚をアトラクター系で反射させるような)まで試しても、ダメでした。

とはいえInaxさんのフライフィッシングへの拘り方こそ、僕には憬れます。侍ですよ!いたずらな春の水辺には、訳わかんなさの裏側に、挑戦しがいのある世界がありますよね。経験側を信じて臨む姿勢をこれからも見習わせてもいますね!!




Commented by Rusty at 2007-03-19 10:24 x
お疲れ様でした!長時間お付き合いを頂いてしまい恐縮です。
でも久し振りに色々な話題と情報がうかがえてとても有意義でした。
ありがとうございした!!
いやぁ~毎度の事ながら渡良瀬は大変ですね。
僕ももっと楽なフィールドに通っているなら、シーズン出撃回数に比例する程度の釣果と日頃のストレス解消ぐらいは出来るのでは?と感じてしまいます。年を追う毎に泥沼化しているのにどうにも出来なくて困ったものです・・・
春の渡良瀬ヤマメによるストレスを一身に受けてしまう夏の某所のイワナさん達はとっても気の毒に思えてなりません!!!
Commented by inax at 2007-03-19 11:11 x
●ゴリさん

カーズ釣行お疲れ様でした。
お言いつけを守って、F川ロッドを使っている様ですね。
どうでしょうか…やっぱり正解でしょう?
前のロッドは、朝顔の支柱にしてしまいましょう(笑)。
 
 あの時は一番良い時に起こしてあげたでしょ?
放置したんじゃなくて、ゆっくり寝かせてあげただけ。
 なんなら今度は、全部終ってから起こしましょうか(笑)
そういえば以前、烏川でそういう目にあった同行者を知っております。
(寝てるのが悪いのよ)
記念すべき2人目に…如何?(プ
Commented by inax at 2007-03-19 11:46 x
●Rollyさん
 
みゃいどです。
いやはや…駄目な時は、何をやっても駄目。
やる事なす事、後手後手にまわってしまう事はあるんですね。
全てを素直に受け入れて…と、そんな境地に到るまでには、も少し時間がかかりそうです。

勝手な拘りの中の独りよがりな価値観ですが、共感してもらえるとコレ程嬉しい事もございません。
今度一杯飲みましょう(笑)
こういった釣りは、所詮は「旬のモノ」。一年中コレばっかり…というワケではありませんからね。
こういった過酷で辛い条件を実際の河原で実体験する事も、いずれ何処かで役に立つ事があるのかも知れません。
Commented by inax at 2007-03-19 12:00 x
●Rustyさん
 
 昨日はお疲れ様でした。無事に帰られたようですね。
なんだか“doでもE”お話に延々とお付き合い下さいまして…恐縮です。
ゴリさんやRustyさん、と行った「遠距離常連さん」には、そろそろ良い思いをしてもらわないと。
…と本気で思っているのですが (-.-;)
 今年は何だかんだと悪条件続きですから、川に魚が残っている事に間違いはありません。
釣りは出来なくても、河原にいるだけで意義はありそうです。
太った川鵜をこれ以上増やさない為にも… (-.-;)

そして、遅れましたが…今期も宜しくお願いいたします。


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