
ブユのラーバ。
こんなラーバ達は、意識して川底の石を取り上げない限り
なかなかお目にかかる機会も少ないですね。
こんな小さな空間に“ぎゅっ”と密集して生息している様をみると
さすがに気持ちの良いものではありません。(…いや、正直キモイ。)
そんなラーバ達の横に見えるのは「繭」。
ちょうど靴のような格好をしているので直ぐに判別できます。
繭の口は上流側になりますから、ラーバたちは先達の「繭」の後方に群集している形になります。
比較的流速の速い瀬の中を生活圏としている彼らですから
移動可能なラーバのうちは、速い流れの近くに出来た緩流部分に密集してしまうのでしょうか。
それはともかくとして…
ブユのラーバたちは、こんな「繭」から完全体に近いイマージャーとして羽化していきます。
こういう羽化形態をとるのは、身近なトコロではガガンボですよね。
当然の事ながら、イマージング中に捕食されてしまうケースも多々あるとは思うのですが
やっぱり、羽化したてのアダルトにライズしてこその…
そんな釣り方が一般的でしょう。
ブユに対するライズは、そこそこ流れのある区間で
水柱があがるようなモノであったり…はたまた水面で弾ける!といった風に
とにかく激しいライズな事が多いように感じます。
それがまさか、こんな小さな虫たちを捕食しているライズだと気がつくまで
幾つのライズに振り回されて来たことか。
このライズの怖いところは、ブユを意識していないフライは全く相手にされない…という事です。
「まかり間違って」「あわよくば」…
そんな期待は(ハッキリ言いますが)持つだけ無駄です。
経験豊富な方なら、きっと何度かは、こんなライズに手も足も出なかった経験があるのではないでしょうか。
『グリフィスナット』。
クラスターミッジとしての出番も去ることながら
こんな時の救世主でもあります。
そもそも、ナット(gnat)とはブユの意味ですからね。
※正確にはブユ、ヌカカ,イエカといった小さな吸血虫の総称
圧倒的な生息量を誇る「ブユ」なのですが、ハッチ自体は意外と見落としてしまう事が多いのです。
サイズが小さい(通常は3mm程度の虫なので…)事も当然その理由ですが
スーパーハッチ!!というほどの激しい羽化に出会った事が
不思議とありません。
その事もまた、捕食の主役が「ブユ」に辿り着くまでの障害の一つになっているのです。