
その流れの「肩」についたライズは
本当にイヤらしかった。
遠巻きに見ていると
岸からそんなに遠くない、その場所で
かなりの頻度で繰り返されていた。
そのライズを見つけたフライマンは
「こりゃぁ〜取ったも同然」
な〜んて思うんだろうけど(それも無理もない話なのですが…)
実際は、ちょっとでも近づこうものなら
まるでスイッチが切れたかのように『ピタリ』と沈黙してしまう。
最初、この肩に付いていたのは
かなり良い型のヤマメだった。
誰にも釣られる事もなく…
次に付いた、やや中型のヤマメも同様
少しでも近づくと、やっぱりライズするのを止めてしまうのだ。
やがて、そんなライズを誰も相手にしなくなっていた。
真夏日の翌日。
再び始まったライズ。
他にライズもなく、駄目元で近づいてみたら
意外にもライズが止まらなかった。
静かに静かにF3からラインを引き出して、慎重にプレゼンテーション。
レーンにフライが入ったら…
ここの主は、虹子ちゃんに入れ替っていました。