雄阿寒岸
阿寒湖屈指のホットスポット。
岸からドン深なこのポイントは、ボートからのアプローチ以外に攻略の手段はありません。
午後になると、かなり強めの風が湖面に吹き始めます。
軟弱フライマンな自分など、ついつい風裏のポイントに逃げ込む事を考えてしまうのですが…魚達にとっては、湖面上に吹きあれる風なんて全く関係ありません。
彼らにとって、この風の恩恵は計り知れないものがあるのです。
プーンと鼻につく…なんだか懐かしい香り。
そう、幼少時代の男の子なら誰でも嗅いだ事のある…大鋸屑の香りと共に甦ってくる、この香りの記憶。
「甲虫臭?」
…とでも言いましょうか、あの匂いが吹き抜ける風に乗って鼻をくすぐります。
湖面の潮目に目をやると、すぐにその香りの根源が判明します。
ヒラタハバチ
蜂と言っても、刺すような蜂ではなくて…どちらかというと、蜂と蝿の中間のような感じです。
折からの風の影響を受け湖面に落ちた彼らが、潮目に沿って帯状の流下レーンを形成しています。匂いの元は、そんな彼らなのです。
そして…そんなレーンの延長上。
水通しの良い岬では、こんなライズが……
ただこれが、本当に釣れないのです。
大の大人が無我夢中でフライを送り込むのですが、これが悲しいくらいに無視されます。
見てられない…とばかりに、操船の合間合間で研治さんもフライを送り込むのですが…結果は同じ(-.-;)
「カメラが回ってなくて良かった〜」と大爆笑。
※こっそりこうして動画で撮っちゃいましたけど…(ぷ)
明らかにヒラタハバチを補食しているライズ。
フライも当然、ヒラタハバチ以外なにものでもないフライを使うのですが…やはり、あまりに本物の浮遊量が圧倒的なのでしょう。
こうなると、フライの置かれる状況としては好ましくないことは何処でも同じ。
やがて、このライズの主の8割以上はウグイである事が判明するのですが…(-.-;)
本来なら、ここでライズしている40〜50アップのアメマスなど、いとも簡単に釣れてしまうらしいのです。
ところで、この時期にこんなにウグイが出ている事は異例だと言う話です。
水温にしても、なんと既に19℃。
今回の阿寒湖…この先の展開に暗雲が立ち込めてきたようです。