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Down & Across

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2007年 08月 07日

イワナの楽園(後半)

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こんな天然イワナの釣りで、もっとも重要なのはアプローチ(ストーキング)。
普段、成魚放流され人慣れした魚達ばかりを相手にしておりますと、ついつい無神経になりがちなのだけれど…こんな事は渓流釣りの基本中の基本ですね。

 野生の中で育った彼らが、我々の姿を寛大に見過ごす事はまずないのだから…遮蔽物がない場所で魚達を追い越す、なんて事は(釣る気があるんだったら…)当然タブーです。
 もし仮に、ポイントの上流に慎重に回り込む事ができたとしても、ロッドの軽い一振りで、スッと何処かに居なくなってしまうのが関の山。
彼らが上流に向いている限り…無駄な努力なんだと思い知らされるのです。

 当ブログのタイトルである“ダウンクロス”なんていうアプローチは、ココでは先ず通用しないと思っていて間違いないのです。
※人間の存在を知りながらも食欲に勝てないような…そんな神経の図太い魚達ではないんですね。釣り下がりでは、恐らく殆ど釣られる事はないのでしょう。

 そんな訳で…アプローチの基本は、ひたすら一途に「アップストリーム」。
彼らにコチラの存在を悟られる事なくフライを投入する事が先決で、ドリフトはとりあえず…二の次三の次。
 彼らが追いつける範囲内のドラッグであれば、その許容範囲は冗談のように寛大なんです。

魚がフライを口にするその瞬間まで、そりゃぁ「ナチュラルドリフト」が出来ればそれに超した事はないんだけど…足りてませんね、修行が。

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 燦々と降り注ぐ陽光の下、何の障害物も無い浅い瀬で、深呼吸するかのように胸びれを広げて定位しているイワナ達の存在も、決して忘れちゃいけない。
 日中の強い日差しを避け、魚達はシェードに…というのも、セオリーとして良く言われているけど…。
そんな先入観を捨て切れないと、結局はこんな「彼ら」を安易に上流に走らせてしまうことになってしまうのです。

それがどういう結果に繋がるか…なんて事は、今さら説明は野暮ですよね。

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 今日の釣りで大活躍だったフライは…こんな甲虫パターン。
前回ブログで載せた2本(現物)を、あえて使い通してみました。

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サイズにして8〜10番な…こんなフライを使っても、FLオレンジのエアロドライウイングがすっぽりと口の中に隠れてしまう程、気前の良いこの食いぷり。
イワナも人間も…夏はスタミナが必要なんでしょーね。

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 木々のトンネルに屈みながらのアプローチ。
こんな場所で多用するのが、奥義(←でもないけど…)「ボー&アロー」。
特に今回持ち込んだ6.8inのような、ティップがパリパリのショートロッドの組み合わせで行う、竿先+1本分のショートレンジ精密射撃。これに勝る武器はないと言って良いでしょう。


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TPOをわきまえずに、至る所で…少々乱用気味です。
こんなところでも「打つ」気らしい(-.-;)
※誰か止めて…

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 この滝を一気に駆け上がると、今回のツアーもファイナル間近。
ナメ底の滝上を過ぎたあたりから、再び魚影は濃厚になるのですが…既に我々の釣欲は、お腹いっぱいに満たされています。

こうして6時間なんていう時間は、瞬く間に過ぎてゆくのです。
時間の感覚は麻痺気味だけど、体に残る心地よい倦怠感が、着実に歩んだ遡行時間を物語っています。

 次の橋の手前の斜面を駆け上がれば、きっと、日差しで過熱したアスファルトが眩しく目に飛び込んでくるに違いありません。

イワナの楽園(後半)_c0095801_1115443.jpg

たまにはニコパチで…。
最後迄お付き合い頂き、ありがとうございました。

今回の御供はこの方でした。お疲れ様でした。

by sureyamo | 2007-08-07 11:26 | River fishing | Comments(17)
Commented by shallowriver at 2007-08-07 11:39
本当いい渓相です、九州の藪となんか雰囲気が似てます。実は私もこういう藪沢が大好きだったんですよ(^_^;)

inaxさんJF683お使いのようで、ピンポイントに打ち込めるのでこういう場所には最適ですね。

写真がとても涼で、見ていて気持ちいいです!
Commented by サワノ at 2007-08-07 12:34
稲村さん、こんにちは。とてもきれいな川ですね~。オレも来年はこんなきれいなところへ行きたいです。ブログを見ていて「いいな~」を連発でした。
Commented by 江戸のゴリ松 at 2007-08-07 18:22
inaちゃん

この度は、大変良い思いを体験させて頂き、ありがとうございました。
しかし、すんばらしい渓相でした!
しかもあんなイワナが居るなんて・・・脳裏に焼きついて離れません。

アプローチの位置やポイントの優先順位など基本から裏技まで・・・
ありがとうございました。
しかし、もう少し慎重に一投を大事に集中しなければダメですね?

でも、あれだけ反応が良く、全てを釣っていたら・・・どうなってたのでしょう?プッ
今週の講義も楽しみにしております!
Commented by inax at 2007-08-07 18:44
●shallwriverさん

こんにちは!
以前から思っていたのですが、九州地区って意外にもコチラ(関東)と釣りの趣向が合うようなのですね。以前、宮崎で一度釣りをした事がありましたが、地元と似通った川の雰囲気に違和感を感じなかった記憶があります。
 大物ゲッターのshallwriverさんも、こういう釣りがお好きだったとは…これはちょっと意外です(笑)。
Commented by inax at 2007-08-07 18:56
●サワノさん

フライフィッシングらしい(?)釣りは、ちょっとポイントが限定されそうですが…純粋に釣りを体験するのであれば、これほど理想的な川は無いかも知れませんね。前橋からですと効率よく高速が使えないんで、ちょっと遠いんですが…(笑)
Commented by inax at 2007-08-07 19:08
●ゴリさん

お疲れ様でした。
正直、先行者は諦めていたのですが…これが無かった事が、今回一番のラッキーでした。
後で調べたら、あの行程は一気に上り詰めないようです。みんな、途中で引き返してくるようですよ。

全てのポイントを叩いたら、少なく見積もっても9時間は掛かりそうですね。釣果は…想像だけでやめておきましょう(笑)
Commented by godzilla2004 at 2007-08-08 07:26
inaxさん、おはようございます。イワナの楽園釣行お疲れさまでした。
写真からわかる範囲では、川岸が無く、遡行の際にウェーディングしていくことが多い溪のようです。先行者があると竿抜けポイント云々以前に遡行で荒れちゃうんでしょうね。
黒い弾丸フライが効いたようですね。やっぱりなぁって結果ですね。先週はフライを巻く時間が無かったので、今週はタイイング週間です(^^ゞ。もちろん、黒い弾丸フライ、イミテート(捏造)させていただきます。m(__)m
Commented by kataoka at 2007-08-08 10:15
inaxさん こんにちは

先日の神流のキッズプログラムでは、いろいろとお話いただき
ありがとうございました。

良い渓ですね。おもわず見入ってしまい、心躍ってます。
漁協のmapも確認してしまいました。(笑)
inaxさんやゴリさんのようにきっちりパラダイスに出来るよう、
これからまだまだ腕を磨かないと・・・
またフォーラムの時にお会いできるのを楽しみにしております。
よろしくお願いします。
※ニコパチ 決まってますね!!
Commented by carpediem2007 at 2007-08-08 17:08
!!??あら♪♪痩せた!!??(^o^)|
うん♪ニコパチ決まってます(^o^)/
Commented by inax at 2007-08-08 23:07
●godzillaさん

こんばんわ!
流石!おっしゃる通りの渓相ですよ。
溯行も川通しなので、距離の割には結構体力と神経を使うんです。
godzillaさんもタイイング週間ですか。
自分も少し弾数を追加したいトコロなので、週末に向けて夜更かしで巻こうと思ってますよ。
ちなみに、この弾丸?フォームは既製品で売っておりますので、簡単に捏造出来ます(笑)
Commented by inax at 2007-08-08 23:16
●Kataokaさん

どうもどうも!
キッズの際には、大変お世話様になりました。
この渓は、是非とも一度は訪れてみて下さい。
癒しの効果は絶大ですよ。
渓相もとても素晴らしく…随所に展開する「ナメの廊下」なんて、それこそ海パン一丁で寝転びたい衝動に駆られます。
フォーラムでのお話は、釣りから脱線気味(毎度の事)なのですが…(-.-;)またお逢い出来ること、心待ちにしております。

Commented by inax at 2007-08-08 23:20
●ねいさん

そんな事言ってくれるの…ねいさんが初めてですよ(笑)
でもこう見えて、実は先々週からジムを再開したんです。
新陳代謝が衰えて来たのか、今回はなかなか落ちないですね。
やっとー1kgってトコロです。
Commented by ゴリ松 at 2007-08-08 23:44
↑ダウト!
Commented by Led.Zep at 2007-08-09 20:34
↑アウト!?
Commented by inax at 2007-08-10 08:44
●ゴリさん、Ledくん

セーフでしょう。Σ(゜Д゜)!
Commented by yu-ko at 2007-08-10 17:41
inaxさん、こんにちわです♪
涼しげな、おまけに静かな場所ですね~。こんなところでゆっくりと釣りを楽しんでみたいです・・・。
日が当たっていて浅くても確かに油断なりませんよね、距離が離れてると思っていても(きっとそれは人の勝手なる思い込みなんだと思いますが)、魚たちにとってはそれが大きな物音になるみたいで、シャーッと逃げていってしまったりします。・・・先日経験しました(苦笑)
こういう場合はラインをいかに静かに落としてナチュラルに流すか・・・とか、ロングキャストなんか必要だったりするんですよね。
それに、フォームフライってやっぱり必要かも?と思いました。今まで作ってみたことがなかったんですけど・・・どうやら必要だなと感じました。
Commented by inax at 2007-08-10 23:32
●yu-koちゃん

こんばんわ!
楽しい時間は、いつだって“あっ”という間ですね。

こんな魚達とは極力、距離をとって向かいたいのですが…ポイントがタイトなところが多くって、結局は超接近戦ばかリでしたよ。
姿勢を低くして抜き足で近寄れば、かなり近くまで寄れるもんです。
改めて、ストーキングの大切さを思い知ります。
フォームフライは、手軽にボリュームのあるフライに仕上がるのが良いですね。とにかく、アピール度は抜群です。
浮き方も、微妙にサスペンド(フォームにもよるのかも知れませんが…)しているところも良いのかも知れません。


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