2007年 08月 14日
![]() 頭上にかぶさる木々の緑の合間に顔を覗かせる、真っ青な空。 渓谷のブラインドコーナーを抜けるたび、瞳孔に飛び込んでくるのは、ハイライトとシャドーの織りなす強烈なコントラスト。 これぞ夏の釣り。 県北の渓。 この流れは、渡良瀬川常連な我々にとって、「とびっきり」特別な場所。 毎回僕たちの読みは裏切られる事もなく…そして、いつも同じ場所で無邪気にフライを迎え入れてくれる心優しきイワナ達の住むこの谷は…まさに「癒しの渓」。 ただ、今回はちょっとばかり勝手が違っていた。 どうにも魚の出が悪い。 いや、正確には「居ない」と言っても過言ではないくらい…。 ![]() 魚は「カタ」についていなかった。 先行者の形跡は今のトコロ見られないのだけれど…形跡自体を見逃していてだけなのかも知れない。 …だとすれば、釣り人が見逃しそうな「竿抜け」ポイントを探るしかない。 そう、普段の自分なら、面倒臭がって『フライを落とすのを躊躇うような』ピンスポットや『ロストを恐れて、出来る事なら入れたくない』倒木のトンネルとか…。 自分の普段の釣りを反面教師として、あえて果敢に攻めて見る。 ![]() ![]() まさに重箱の隅を突くような釣りに、ペースもガタ落ち。 そこまでしていながらも、何処の流れからも魚達の気配は、やっぱり感じられないでいた。 たしかにこの日、気温も水温も予想を上回っていて、お世辞にも魚の活性も高いとは言えないんだけど…所々に落ちている真新しい虐殺部隊の痕跡に、嫌な予感が脳裏を過ってしまう。 ![]() ここの“気の良い住人達”は本当にお人好しだから…餌釣り師が本気を出したら、それこそ「ひとたまり」もないだろう。 行程を3/2ほど消化したあたりで、ようやくフライに反応する影が見られるようになってきた。 物陰から飛び出して来た一匹のイワナを筆頭に、ココに来て、ようやくこの「癒しの渓」にスイッチが入ったように思えた。 だけど… イワナはコレが最初で最後。 流れの中で、こぞってフライをくわえてくれたのは全てがこんな「夏ヤマメ」達だった。 イワナ達の聖地は(有志によって放流されたであろう)彼らに席巻されていた。 ![]() 春先から見慣れたパーマーク。 豊満な魚体は、この渓の「豊富な恵み」を物語っている。 もちろん、それはそれで全く見事なんだけど…。 殺戮部隊の間隙を縫いつつ、聖域をヤマメ達には席巻され…そんな肩身が狭くなったイワナ達の事を思うと、ちょっと複雑な心境だ。 本来の住人であるハズのイワナ達は、今何処で…どんな気持ちでいるのかな。
by sureyamo
| 2007-08-14 01:53
| River fishing
|
Comments(16)
inaxさん、おはよーございます。
たしかに本来イワナの生息域だったところにヤマメの生息範囲が広がると・・・ちょっとどうなんでしょうね。複雑な心境です。それに虐殺部隊も入るような場所であれば、尚更です。 ボクはこの数年、inaxさんの言う重箱の隅を突つくような釣りが大好きになってきました。あまりに釣れないので、性格がねちっこくなってきたんでしょうかね(笑)影の中に打ち込んだ毛鉤が消えるのは、かなり快感です。でも、毛鉤やティペットの消費量が多くなっちゃうんですよね。
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●terryさん
おはようございます。 こういった事は、全国何処でも当たり前のように行われているのですね。 もちろん、放されたヤマメ達には何の罪はないワケですけど…。 我々も、そろそろそんな次元で、これからの渓を考えていくベキなのだと思いました。 良く釣る方は、基本的にねちっこい方(笑)が多いようです。 今年はつくづく実感しております。(笑) 重箱釣法は、バット部のみが伸縮みするフライロッドなんていうのが欲しくなりす(笑) えっ? そこ迄はやらないですか(ぷ ![]()
Inaxさん、お疲れ様でした!!!!
虐殺部隊の影響は、僕も昨日入った谷で実感しました。そこは、ゲートから歩いて1時間で二つ目のゲート、そこから30分の歩きを要して堰堤を数基越えるとたどり着ける渓で、歩くのも大変だし以前の体型だと堰堤の上り下りがしんどくて、数年に1度ぐらいしか出かけなかったのですが、そりゃぁ「不調」とか「低活性」なんて言葉が存在しないのでは?ってほどの約束された渓でした。しかし、1つ目のゲートがいつのまにか開放されていて、その堰堤超えの場所も反応が遠いこと。さらに二つ目のゲートの手前のあたりでは、サカナの反応などほとんど無いような状態でした。 それはそうと、イワナの生息圏へのヤマメの混入(もしくは進出?)は、里流れの筋に入りたがるヤマメの性格なんかも手伝って、イワナたちへの影響は少なからずありそうですね。 ![]()
お疲れ様です。
未だに旧態依然の釣りを推奨する方達がいるので被害は甚大ですね。 メーカーや雑誌媒体もそろそろ方向転換してみては?と思うのですがいかがなものでしょう? それ以前に地域漁協や所轄部署などが率先して動くべきなんでしょうが。 それにしても今回は厳しい釣りみたいでしたね。 また鬱憤晴らしに北信に行きますか? ![]()
inaxさん こんにちは.
イワナの渓と信じていた!?ところからヤマメ達が飛び出してくるといった状況は、どこでも珍しいことではなくなって来てますね。 釣れるとどちらでも楽しいんですが・・・(苦笑) こういった現象は、よく言われる「放流の経済合理性」だけの問題ではなく、いろいろな側面があるでしょうね・・・ 人の論理じゃなく、自然の営みの論理を考えないといけませんね。 ![]()
inaちゃん おばんです。
この度は、お疲れ様でした。 塾長がアレだけシラミ潰しに攻めても・・・「異常なし」ですから・・・ 一週間前の状況を聞いたのと一変していた様ですよね! まぁ~私の場合は、いつ熊が襲ってきても大丈夫な様に・・・って ロッドを口に咥え、右手にカメラ、左手にカウンターアソートを握り締め、 ただただ塾長の後姿を見て、時折ロッドを振って勉強しておりました。 近い内・・・また修行の源流(減量)釣行に誘って下さい! 追加の渓魚の写真を撮りに行かなくっちゃ!ねッ! ※因みに・・・先週からで3kg落ちました。 ![]()
こんにちは。相変わらず素晴らしい渓の画像ですね。
いや~見れば見るほど九州の源流域とよく似てます。源流に行きたくなります。 九州では、標高1000m超の源流域でも基本的にはヤマメなんですが、ゲリラなのかイワナ(生態学的にはいないはず)がはびこっている渓もあり、環境に合うのか尺がよく釣れます。 地元でマダラと呼ばれる在来の個体を中心とする藪沢は、餌師がトレースすると数年はダメになります。 渓の環境保全を考えないといけないと切に思います。 Kさんユーラシアに行かれましたね!あの時の阿寒メンバーではIさんも同行されているようですね。 ![]()
ina塾長、みゃ~~どだがね。
8月の釣りは厳しく、日単位・週単位で激変しますから仕方ないことだと思いますが、今までと違う状況が感じられることはちと心配な要素ですな。 わたしは一度もお邪魔したことのないこの川ですが、どうか塾長の勘違いであるようにと思う次第ですよ。 今月中にいまいちど調査が必要ですな、どうぞ宜しくですよ。 ![]()
●Rollyさん
おはようございます。 「竿抜け」なんてないんじゃないか…って位、とことん抜かれ尽くされたって感じですね。たまに出てくる希少な魚達も、その大半は半信半疑って感じです。 ヤマメもイワナも、元々の性格が異なるのでしょうが、流れによっては餌場はブッキングしますね。そんな場所での捕食の優先順位は、さすがに「はしっこいヤマメ」に“分”があるような感じ。イワナ達は尚の事、隅に追いやられてしまいそうですね。 ![]()
●Ledくん
虐殺部隊の猛威は…特にお盆周辺に集中して大発生するようです。 「明け」には、あからさまに魚影が極端に少なくなりますね。 魚に対する価値観が変わらない限り、なかなか難しい事かも知れない…って事は(とりあえず)置いといて…虐殺部隊の主力釣法(となっているであろう)餌釣関係の企画は、新商品の売り込み目的が見え見えの“提灯イベント”ばかりが(何故かやたらと)目につきます。 竿の軽さや感度、丈夫な細糸など開発は大いに結構なんですが、肝心の魚が居ないんじゃぁ…本末転倒だと思うのは自分だけ? ![]()
●kataokaさん
おはようございます。 ヤマメ達には罪はないので…自分のフライに騙されてくれた事には、つくづく感謝しております。 たとえ同じイワナ属同士であっても「種の保存」という観点からしたら様々な問題もあるわけですのですので…。 ただ単純に、釣りたいが為という「釣り師の勝手なエゴ」の自主放流は、特にこうした限られたさ流れにおいては、つくづく考えものだと思いました。 ここに住むイワナ達が一番怒っているに違いありません。 ![]()
●ゴリさん
先日はお疲れ様でした。 180度の状況転換は、この遊びでは珍しい事ではないのですが…悉く「竿抜け」さえもやられてましたね。(ぷ 熊の護衛?の割には、若干離れ過ぎなんですが…(プ 今回唯一、ライズしていたイワナに向かっての「ホームラン宣言」! この案件につきましては箝口令を敷かさせて頂きます。 ![]()
●shallowriverさん
こんにちは。 やっぱり、九州の源流もこんな感じなのですか? 地付のヤマメに他所者イワナ…(笑)まんま、逆の組み合わせですか。 「マダラ」(エノハ)といった在来種がおかれている状況も深刻そうですね。 駄目になった渓流の「三年復活説」は、そちらでも健在なのでしょうか? ※こういう事は、あんまり書かない方が良いのかしら(ぷ) Kさん達は今回、パシフィックサーモンですよね。 凄いバイタリティーです。 Iさん…向こうで、またKさんにイジられちゃうんでしょうね(笑) ![]()
●団長ぉぉ
毎度です。 勘違いは得意なので…(ぷ 単に、自分の腕が鈍っていただけなら良いのですが…。 ※まぁそれも、ある意味困りモン。 週末調査の場所は未定ですが、来週の平日には「今年は激渋」言われる日光湯川に言って参ります。久々の平日の釣りに、ちょっとウキウキ♪
ina塾長、こんにちわ。
フライを始めた頃、ある川で出会った餌さ釣りのおじさんがビクを開けて 自慢げに、、、。でも{そんな小さいの持って帰らなくても、、}なんて思っちゃうようなサイズの魚も入ってました。 そんな人ばかりではないのでしょうが、実際に目で見てしまうと なんとも言えない気持ちになってしまいます。 日光湯川釣行。楽しみにしてます♪ ![]()
●nakadiさん
こんにちわ! 有りがちな光景ですね。 そう言うときの為に、超スーパーリアルな尺ヤマメの剥製あたりを3〜4本仕込んだビクをコチラも用意しておいて… 「オジサン凄いねぇ。俺なんかこんなのしか釣れなかったよ」と見せて上げると、効果的だと思います。 ムキになって通われちゃうかなぁ…(ぷ |
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