2007年 12月 07日
![]() 昔は「ミッジフック」というと、単に定型のスケールダウン版というのが一般的で、実釣性能を真剣に考えているとはとても思えないフックばかりの、そりゃぁ〜も〜お粗末なモノでした。 当時、ミッジングの重要性を唱えていたのはホンの一握りのコアなフライマンぐらいなもので…まぁ、このジャンル自体があまり一般的でもなかったから(今ほど)騒いでもいなかったのも事実なんだけど…。 そんなミッジングに使われるフックも、ここ10年以内で劇的な進化を遂げて来ている。 フックサイズを下げる為、極限までショート化されたシャンクといい、フッキング率向上のワイドゲイプと細軸ワイヤーの採用…等々。どのメーカーも、目指す方向性は殆ど共通している。 それでも市場を賑わす数々のミッジフックは独特のベンドカーブを打ち出して来ていて実に個性的。選ぶのには迷ってしまう。 ミッジフックに選択肢なんてほとんどなかった時代からの「マニア」にとって、これは歓迎すべき事ですね。 フックの形状がフライ全体のイメージを決定づけてしまう。 ベースとなるフック次第で、同じパターンでも印象がだいぶ変ってしまう…というのがミッジフライの特徴でしょう。 つまり、ミッジに関しては「フックもパターンの一つ」だと言うこと。 ![]() TMCから出ている、最もオーソドックスなミッジフックが508。 どんなパターンを巻いても、たぶん最もバランスの取れるフックだと思う。 綺麗で堅実なパターンを巻くのなら一番おすすめかな。 あえてケチを付けるとするならば…他社のフックと比べると、なんとも頼もしい太さの鋼材の割に、妙に柔らかい気がします。 ワイドゲープ故に「テコの原理」で余計そう感じる部分もあろうとは思うんだけれど…。 ミッジ専用という訳ではないのだけれど… ![]() フライ的に、ここまでハックルを巻き上げ過ぎるのはやり過ぎで(笑)好ましい事じゃぁありませんね。 サイズは531としては最小の♯20。 左の「R13-VHBMの♯29」は大きさの対比。 ![]() ※「900BL」も秀作。 ゲープもタイトで(若干ロングシャンク気味だから、そう見えるのかも知れないけど)バーブレスも、ただバーブを削り取っただけのような?デザインと…何とも心細いのだけど…。 これが意外にもフッキングとホールド共に合格点。 gamakatsuは、個人的にお気に入りのメーカー。 ![]() CDCとは違ったライトパターンが期待できるこのフライは、その手のフライにうんざり気味のスレっからしを、たびたび騙してくれました。 C12やR11-VHBMを使ったフライパターンは、過去雑誌などで散々紹介して来ましたね。 R13-VHBMなんかは、ちょっとマニアックだけど、実釣だって充分に尺イワナの加重にも耐えてくれる。 どれも共通なのは、バーブレスなのに不思議なくらいバレにくいこと。(C12はマイクロバーブですけど) ただし…R13-VHBMのフックでフライを格好よく巻くのは、ちょっと難しいかも知れません。 ![]() ここまで来ると「現場で使う気になる」スタンダードドライフライとしては、もはや限界的なサイズ。 奥に映るスレッダーの先端を目安とし、大きさを想像してください。 TP77・88は、最近良く使うフック。 使われている鋼材は、何処のフックよりも遥かに細くて軽いから…水面直下のパターンでは、キチンとボディーだけ沈むような要素をタイイングに盛り込んでやらないといけない。 そういう意味では誤摩化しが効かないフックかな。 ![]() このフックに巻かれた、微に入り細に入る…このミッジドライは、故古川兄さんの作品です。 元々が軽いからCDCが(逆付け)5本もあれば充分に浮いてくれる。 一見細過ぎて心細いかも知れないけど、テストでは50センチのレインボーを3つまでは取れた。(3本目を外す時に曲がっちゃった。) 問題は、このフックを多用された後は「雑草も生えない」こと(笑)と…ちょっとフックのお値段が…良過ぎること位かな。 そろそろ、週末用のテストミッジを巻かないとなりませんので…今日のところはこの辺で 追記、これらは全て私感であります。 特定商品を批判&贔屓するモノではありません。 信用する、しないは、あくまで自己責任にて(笑)お願い致します。
by sureyamo
| 2007-12-07 10:37
| under ♯20 Maniaccs
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Comments(12)
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inaちゃん
ミッジのフック選びは、奥が深いですよね・・・ フックの形状で生態を演出したり、フッキング効率、耐久性を考えたり・・・ 最近では、ラージアイという選び方をしなければならない方もいます。 色々なフックを買いあさっては、試してみるのですが、一長一短で・・・ 水面での姿勢や浮力は、タイイング方法で調整出来たとしても、 いざ、理想の着水姿勢にした時に、バーブ部分がクローズしてしまって フッキングしにくくなってしまうとか・・・ 我が師も、そんな悩みを解消すべくオリジナルフックを某メーカーの 1130をベースにサイズダウンを検証しながら開発していたのですが、 志半ばで・・・サンプルは形見になってしまいましたが・・・。 私はC12-BM、2488、TP88を使い分けておりますが、迷路にハマってしまいます。 何だか熱くなってきました。 明日あたり・・・寒い所へ行って熱くなろうかと・・・プッ
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inaxさん まいどです~
ミッジ初心者に参考になりました。 どうしてもワンパターンになりがちで、なかなか引き出しが増えてきません・・・ いろんな形状のフックに巻いて、それぞれのバランスなんかもtry & errorで掴んでいくしかなさそうですね。 うー奥が深い!! ロッダーズの記事読み返して頑張って巻きます。。。 ![]()
☆ゴリさん
これはミッジングを含めたマッチング・ザ・ハッチ全般に言える事ですけど、コアな部分ばかり突きすぎると、全体を見失いがち。 あまり深く掘り下げ過ぎる…というのは問題です。深く考え過ぎないことも大事ですよ。 フッキング率を上げようと思ったら、フックのゲイプ幅にたよらずとも、水に絡みやすいマテリアルを使ってフライ全体を魚に吸い込ませやすくするとか… アイが小さいのなら、自宅で必要な長さのティペットにあらかじめ結んでおいて仕掛け巻きに巻いて用意しておくとか…フックに頼る意外の解消法はあります。 さじ加減は人それぞれですが、ゴリさんの場合は、お師匠さんがあまりに強烈だったから…ある意味大変だとは思いますけどね。(笑) ![]()
☆kataokaさん
こんにちわ! 最初のうちから、引き出しの数が沢山あると迷ってしまいますよね。 自分のエントリーに左右される事なく(アップしておいて言うのも変ですけど…) お手持ちのワンパターンで、とにかくライズを釣って行かれる事をお薦めします。 ミッジングでうまく結果が出せない方の大半は、フライセレクトよりも実戦的な釣り方に問題がある方が殆どのようです。 kataokaさんの釣りは拝見しておりますから、全然問題はないと思いますけど…。 どうしたって取れないライズは、「お手持ちのワンパターン」を焦点を絞りこみながら少しづづ…現場でトリミングしながら対処してゆくことで解消出来る事も沢山あります。引き出しを増やすのは、それからでも全然遅くはありませんよ。 フライフィッシングは、こういうプロセスが一番面白い部分ですもんね。 気長に楽しみながら…やりましょう。 ![]()
お疲れ様です!
私もミッジフックに悩みまくっています。 一応今は248x系、5x8系、10x系(全てTMC)に落ち着いていますが、先日、ゴリさんに質問ぶつけたTPシリーズも気になります。 各社から専用フックが出てくるのは非常にありがたいですが、悩みの種は増大するばかりです。 明日は残念ながら公休出勤と相成りました(泣) ![]()
塾長、みゃ~~~ど~~~
えぇ~ね~ 、このミッジネタ。 ミッジは小さいがゆえにマテリアルの取り付け方に注意をしないと水面上でおねんねしてしまいますよね。 ミッジを巻き始めた頃はこの状態のフライばかりで、現場でシンク剤やつばをゲイプにつけて浮き姿勢を調整していました。 最近ではワイドゲイプのフックが市場に出回り、試行錯誤の結果マテリアルの取り付けもなんとか判りだしてきて今は何とか思うような浮き姿勢を保てるようになりました。 で、お魚を出せるようになってきたのですが今度はあわせられない、こちらの修行が私の今後の課題ですわな(泣) ![]()
塾長、こんばんわ♪
ミッジフックというと自分は基本508とがまF39、C12で在庫してますが、508出る前、#14とかのサイズではバーブレスをまだ使ってなかった頃からず~っと思ってたのはミッジフックに限っては断然バーブレスのほうが掛かりが良いんじゃないかなぁ・・・ということでした。小さいゆえにバーブの存在が返って掛かりというか刺さりを阻害してるのでは??と思ってました。 でも、どうやら実際にはドリフトというかサカナに違和感とか猜疑心を持たせて食べさせている事のほうが原因なのかなと気づきました。 ミッジの釣りは(他の釣りももちろんではありますが)、ドリフトも、それを有利にさせるプレゼンとかキャストも、フライそのもののクヲリティーも、全てのバランスの調和がとっても重要な気がするんです。なので、ミッジでコンスタントに釣る人に会うと何か学び取ろうと見入ってしまってます(^^) ![]()
☆Ledくん
こんばんは。 ほぉ!TMC派なんですね。 じゃぁTPシリーズは、かなり不安感があるんじゃないですか?。 でも大丈夫。そんなに無理をしなければ案外と丈夫なフックですよ。 いずれも、そんなに外すようなフックはないので、後はどこで踏ん切りをつけて使うかですね。 ![]()
☆山猿団長
こんばんは。どうですか? 少しはお役に立てそうですかねぇ。 ミッジはピンとはみ出た「むだ毛」が意外と侮れませんからねぇ。 キチンと処理しないといけません。(笑) 何度投げても同じような姿勢で浮いてくれるフライというのは、外せないテーマですね。フックが変わるだけでも浮き方も変わりますから、なかなか課題が尽きませんね。 ![]()
☆Rollyさん
毎度だがね〜。 F39…いいトコついて来ますね。 目の付けどころが素晴らしい!!あの細軸は割とヤバいですよ。(笑) 某釣具店にアルバイトさせていただいた頃に、無理言って、ソレだけ入荷してもらった事があるくらいです。 バーブの存在がフッキングの抵抗になる事はあるでしょうね。 基本的にミッジフックはサイズに比例してスロート長も短くなるので…普通のサイズのフックより抜けやすくはなるんでしょうが、糸のテンションを常に保っていれば、そうそうに外れるものでもありませんね。 ミッジングの難しさは、おっしゃる通りです。 全てのバランスが割と「タイト」ですから、あまり誤摩化しが効きません。 そこがまた、面白い部分でもある訳なんですね。 こういう釣りばかりしていると「ナチュラルドリフト」に対するジャッジ(自己判定)は、かなり厳しくはなりますね。(笑) 元々そうでなくては、いけないんでしょうけど…。 ![]()
塾長、こんにちわ!
ミッヂを巻いていて、同じパターンで同じサイズでフックだけを変えるだけでフライの印象がかなり変わるな、ってのは最近気づきました。少ないマテリアル、色調も限られて(以前いただいたコメントがヒントになったのですが)そんななかでなんとかバリエーションを増やせないものかと、、、。 まだ実釣で比べるまでにはいってませんがじっくりやってゆきたいと思います。 ![]()
☆nakadiさん
おはようございます。 バリエーションの追加は、フライに対する依存度が高くなる釣りほど重要な課題ですね。 こういう事は経験値と比例する部分だとも思うのですが…何も考えずに釣りをしている限り、何年やっても進歩のない部分でもあります。 じっくり、ゆっくり…ひとシーズンひとシーズンを噛み砕きながら、お互い精進してゆきましょうね。 |
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