
この川に最後に訪れたのは、もう十年以上も前になるのかな。
以前ここの河原には採石場があって
大型のダンプカーがひっきりなしに往来していた。
それらが巻き上がる砂塵のせいで、この界隈の風景はいつも白く埃っぽかった。
そんな車両用の盛り土の道路に追いやられるように、川は土手の隅を細々と流れていたのだけれど、川底は意外にも黒々としていて不思議と生命観には溢れていた。
平日に休みを取ってまで、こんな流れを真剣に通う物好きなフライマンも当時はいなかったみたいで…
時間になりさえすれば、ヤマメ達は狂ったようにフライに飛びついて来たものだった。
先日、この川には30センチ前後のニジマスと、それよりもう少し小振りなヤマメ達が放流されたのこと。
ここが唯一の放流ポイントだという話だから、あらかた「抜かれた後」という事なのでしょう。
欄干から覗き込むと、それでも10匹程のヤマメがフラフラ流れに身を任せていたけど…さすがにちょっと可哀想になって、今日のところはロッドを出すのは止めておいた。

ちょっと判り難いけど…ヤマメが見えますか?

ネコヤナギの下の水面が、時々大きく揺れます。
上手く石の影に隠れているようで、その姿を確認する事は出来なかったけど…コチラは恐らくニジマスの残党。
平日にでも休みをとって、後でゆっくり来てみよう。